ごまは栄養価の高い食材で、メディアで「ゴマの成分セサミン」を大々的に宣伝した商品が流れ、健康食品として服用している人も多いことでしょう。
しかし残念なことにごまに対してアレルギー反応を示す人がいることも現実です。
このような人は個人差がありますが、ごまの粒すなわち種子を搾(しぼ)ったごま油、いずれにもアレルギー反応を起こす人、ごまの粒にだけアレルギー反応を起こす人色々です。
近年ごまアレルギーの幼児が増えているといわれ、小児アレルギー学会でも注視され出しました。
また幼児の年齢によっては鶏卵に次いでアレルギー症状が出るといった報告もあります。
多くの食べ物に使われている食材なだけに、ずっと避けなくてはいけないのか?治るものなのかも気になりますよね。
詳しくその原因と症状について、また対処法について調べてみました。
目次
どうしてごまアレルギーになるの? その原因は? 大人でもなる?
食物アレルギー症状ではどのケースでも同じですが、症状がでる食材を摂取(せっしゅ)すると、免疫反応が起きて、その食材を体から排除しようとします。
食物アレルギーになる乳幼児が増えているのは生活環境が衛生的になり、昔ほど「赤ちゃんの時から細菌などに感染して、自分の体内で防衛的に免疫を作る経験が少なくなっている」と考えられます。
その結果赤ちゃん時代に細菌に対する抵抗力がなく、多くの異物を異物として認識してしまうのです。
それ以外幼児では、消化器機能も発達途中で、アレルギーの原因となるたんぱく質を分解できないことがあります。
一方子供の時は全くアレルギー症状がなかったのに急に大人になって発症し、なぜ?と思う人もいるかもしれません。
アレルギー症状はどの年代で起こっても不思議ではないのです。
極度のストレス・疲労、花粉症などのほかの原因でアレルギーを体内に待っている人、毎日同じものを食べている人などは要注意です!
なぜごまアレルギーになるの? その原因は?
実は海外では、「ごまはピーナッツと同じくアレルギー症状を引き起こす物質」として登録されています。
またイスラエルでは乳幼児の食物アレルギー物質として、鶏卵・牛乳に次ぐ物質として登録されているのです。
ところが日本では、お母さんが作る食事に原因がある場合があります。
「ごまは健康に良い」とかねがね報道で知っているお母さん、少しでも赤ちゃんの体に良かれと、離乳食に早々とごまの粒をすり潰(つぶ)したペースト状のごまを食べさせているようなのです。
ごまアレルギーはどんな症状なの?症状を起こさないためには?
アレルギー特有の「かゆみ・じんましん・赤くはれる」といった症状が出ます。
発症部位も体の一部であったり、全身に及ぶこともあります。
また重度のアレルギーだと、「アナフィラキシーショック」と言って、呼吸困難・低血圧・意識を失うといった症状が出る場合があります。
このときは直ちに救急車を呼びましょう。
また過去にアナフィラキシーショックを起こした人は、医師から「アナフィラキシー補助治療剤エピペン(別名アドレナリン自己注射薬)」を支給してもらうことをお勧めします。
ごまアレルギーを起こさないためには、ごまで作られた食材(すりごま・油・ペースト・煎餅・ご飯のふりかけなどなど)を口に入れないことしかありません。
また、ごまのアレルギーを引き起こすたんぱく質と構造が似ている、キウイフルーツ・ライ麦などが要注意です。
これはあらゆる食物アレルギー対策に通じます。
ごまアレルギーは治るの?
ゴマアレルギーは、乳幼児で発症し、成長とともにいつしかアレルギー症状が出なくなるケース、また中高生になっても続くケースなど様々な経過をたどります。
確実に治すにはアレルギー専門の病院で「減感作療法」(経口免疫療法ともいいます)の治療を受けます。
この治療法は体内で作られてしまった、アレルギーを起こす物質「アレルゲン」を時間をかけて徐々に消滅させていく治療法なのです。
まとめ
現代急速に増えている、食物アレルギーを起こすメカニズムを説明し、ごまアレルギーの原因・症状を治療法を乳幼児・大人について詳しく解説しました。
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