麻疹(はしか)とは、「麻疹(赤いぶつぶつなど)」や発熱(大体38℃前後)が続く伝染病です。
大体10日前後の潜伏期間を経て発症し、主な症状はブツブツの他に、くしゃみ、鼻詰まり、下痢、腹痛などがあります。
普通は、39,5℃くらいまで熱が上がるものの、大体1週間から10日間前後で回復します。
ところが、中耳炎や肺炎などの合併症が起こり入院するケースもあるのです。
さらに恐ろしいことに、こうした重症化が進むと1000人にひとり「以上」の割合で脳に重大な障がい([中枢神経合併症」と言います]が残ります。
少ないですが、死に至るケースさえあります。
そこで、気になる麻疹の感染経路を、そして予防法をわかりやすくお話します。
目次
麻疹の感染経路はどこから?
麻疹は、国には1年に1万件から3万件の症例が報告されています。
ですが、実際に感染した例はその約10倍・・・と国立伝染病研究所は推測しています。
それは、麻疹のおもな症状がそもそも発熱・クシャミ・下痢など「風邪」と間違えられやすいからです。
麻しん(はしか)は春から夏にかけて流行し、感染経路はさまざまです。
麻疹ウイルスは、感染している人のせきなどを吸い込む飛沫感染や、スキンシップによる接触感染、および空気感染もします。
発疹が出てから4~5日まで感染力があります。
「目に見えないところからいつやってくるのか、わからない!」この点でも麻疹は手ごわい相手だといえますね。
でも、ひとつだけ安心のできるデータがあります。
国立伝染病研究所がまとめたデータによると、麻疹が流行するエリアは「同じ都道府県内に限られる」というもの。
たとえ「となりの都道府県」といえども、麻疹の流行が飛び火した前例はありません。
ですから、「近所の赤ちゃんや若い人がはしかになった」と言ううわさを耳にしたときにワクチンで予防、という手を使えば我が子を麻疹から守られる確率はおのずと高くなるわけです。
麻疹ウイルスに対する免疫が無いひとが感染する割合はなんと約90%です。
患者が最も多いのは1歳前後の赤ちゃん。
ちょうどその年ごろに、お母さんのおなかの中でもらっていた免疫力がなくなるころだからなんですね。
ですが、重症者が一番多いのは、なんと20歳代の若いひとだそうです。
成人式や就活のころにいちばんあなどれないのが、麻疹の特徴でもあるのですね。
予防には麻疹ワクチン
上記にも書きましたが、麻疹の予防にはワクチンが効果的です。
麻しんワクチンは2回接種することが法律で定められています。
子どもの場合、定期接種で受けられ るのは、1歳と5~6歳の2回となっています。
大人の場合でも申し込めば有料で受けられるので、子どもの頃、麻しんワクチンの予防接種を受けていない人は 受けるようにしましょう
ただし、妊婦は予防接種が受けられません。
もし、麻しんに感染している人に接触した場合、72時間以内にワクチンを接種すれば効果があるとも言われています。
忘れがちなのが、20歳前後での再接種。
この年代に重症例が多いことからしても、ぜひ接種しておきたいものです。
麻疹ワクチンは、実ははしかを100%予防するわけではありません。
それでも重症化は防げるので、接種しておきたいですよね。
麻疹の予防接種の料金
医療機関によりますが、大人の場合は、8000円~10000円ぐらいで受けられます。
自治体によっては助成金が出る場合もあるので問い合わせてみましょう。
ワクチンの副作用
まれに副作用があらわれることがあります。
2週間以内に発熱したり、じんましんが出たり、気になる症状があらわれたときは、予防接種を受けた病院、保健所などに相談しましょう。
麻しんの症状
潜伏期間は10~12日で、38℃前後の発熱があり、せき、目の充血など風邪の症状があります。
口の中に白い斑点が見られ、発疹は耳の後部、首あたりから始まり、その後全身に広がります。
約1週間で治まりますが、重症になると中耳炎や、脳炎、肺炎 などの合併症を起こすこともあり、入院が必要になることもあります。
乳幼児がかかりやすい病気ですが大人もかかることがあり、大人は子どもより重症化しや すいと言われています。
妊娠中に麻しんに感染すると、流産や早産などの問題を起こすことがあります。
麻疹の治療法
残念ながら、麻疹そのものを治療する薬は、今のところありません。
解熱剤や、中耳炎・肺炎などの合併症などの対症療法による治療になります。
まとめ
以上、麻疹の感染経路、予防法などについてお伝えしました。
昔は子供が麻疹にかかることは珍しくありませんでしたが、今は重篤な状態にならないように、まずはワクチン接種です。
あれこれ心配するより、ワクチンを!これこそが、一番の麻疹対策です。
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