溶連菌感染症にかかると病院で抗生剤が処方され、約10日間(お薬によります)飲むように指示されます。
飲み始めて2~3日すると、発熱やのどの痛みなどの症状がやわらいでくるのでホッとすることでしょう。
しかし、そこで飲むのをやめてしまったり、うっかり飲み忘れてしまったりすると、菌が体の中に残ってしまいます。抗生剤は最後まで飲み切らなければ、耐性菌(抗生剤が効きにくい)が出現する可能性があります。
“抗生剤を飲み始めたら、必ず最後まで飲み切ること”を忘れないようにしましょう。
溶連菌感染症の合併症
溶連菌感染症にかかったときは、しっかり完治させないと再発する可能性があり、溶連菌が長くのどに居続けることによって他の病気を引き起こす場合もあります。溶連菌感染症と併発する病気には次のようなものがあります。
◇リウマチ熱……最近、日本ではあまり見られなくなりました。全身の関節が炎症を起こして痛みを伴います。
40℃ほどの高熱が出ます。心内膜炎を発症することがあり、心内膜炎により心臓の弁の動きが悪くなると、後遺症が残ることがあり、心臓外科手術が必要になることがあります。
◇腎炎……溶連菌が原因で起こる腎炎のことを急性糸球体腎炎と呼びます。
溶連菌感染症が治ってから数週間後に起きることがあります。食欲不振、嘔吐、脱水などの症状があり、口の中が出血したり、血尿、高血圧、むくみなどの症状があります。
入院治療を受けて安静にし、腎臓が回復するのを待ちます。子どもは大人より入院期間も短く、6カ月~1年ほどで90%が完治します。退院後、体調が良好に思えても、定期的に尿検査を受けることになります。通常、後遺症などは残りません。
◇咽頭炎……のど(咽頭はのどの浅い部分)の粘膜が炎症を起こしている状態で、リンパ節の腫れが見られます。37~38℃の熱が出て、のどに痛みが感じられます。
◇扁桃炎……のど(扁桃はのどの深い部分)の痛み、高熱が主な症状です。喉の痛みは特に強く、「いちご舌」とも言われる苺のようなブツブツが舌にできることもあります。
◇血管性紫斑病……発疹や激しい腹痛などの症状があり、関節痛やむくみがみられることもあります。一緒に斑病性腎炎を起こすこともある病気です。
◇猩紅熱……発熱と軽い発疹が主な症状です。扁頭炎の場合と同様にいちご舌になることがあります。
◇とびひ……皮膚が部分的に赤く充血し、かゆみを伴います。赤く膿の溜まった部分が点々と広がることから「飛び火」と言われています。皮膚の傷口から菌が入り込み発症します。
◇丹毒……高熱が出るほか、皮膚が赤くなって腫れるところがたくさんあらわれます。真皮(皮膚の浅いところ)に菌が入り込んで発症します。
まとめ
溶連菌感染症からの合併症を防ぐためには、原因となる溶連菌に抗生剤を使い、しっかりと溶連菌感染症の段階で完治させるのが大切です。
治ったかどうか安易に判断せず、必ず医師の指示に従うようにして溶連菌感染症を治していきましょう。
コメント