溶連菌という言葉を聞いたことがありますか?
溶連菌とは「溶連性連鎖球菌」の略で、その溶連菌が原因で起こる病気を「溶連菌感染症」といいます。
主な症状は、まず熱が出て、頭痛や吐き気、のどの痛みなどが起こります。腹痛が起こるときもあります。
風邪の症状とよく似ていますが、どのようなときに溶連菌感染症と疑えばいいのでしょうか?
詳しく見ていきましょう。
目次
どのようなときに溶連菌感染症を疑うか
喉の痛みが強いとき
溶連菌は人の口の中の奥、咽頭という部分に住んでいる細菌で、特にのどに症状があらわれます。
食べられないくらいのどの痛みが強く、見るからに苦しそうなときは、のどの奥を見てみてください。
のどの粘膜に点々と赤いところがあり、真っ赤に腫れあがっていれば、溶連菌が増えすぎて粘膜下出血を起こしている状態です。
赤い発疹が体にできているとき
手足や体にふだん見られないようなブツブツ(赤く細かい発疹)ができ、かゆみを伴います。
舌にブツブツができているとき
イチゴ舌と呼ばれる、舌にイチゴのようなブツブツができます。
首すじが腫れているとき
首すじのリンパ節に腫れがみられます。
溶連菌感染症にかかったときは治療が必要です
何らかのきっかけで溶連菌が増えすぎて、上に挙げたような症状があり溶連菌感染症が疑われるときは治療しなければいけません。
病院に行ったら?
溶連菌については、10分以内に結果が出るので、すぐに溶連菌かどうかわかります。溶連菌の感染とわかれば、熱やのどの痛みといった症状をやわらげるお薬のほかに、抗生物質が出されます。
お薬を飲み始めると、2?3日で熱が下がり、のどの痛みもやわらいできます。発疹が出た場合、熱が下がれば、手足の皮膚がむけてきます。
確実に溶連菌を退治するには、症状が消えても処方された抗生物質を最後まで飲み切らなくてはいけません。途中でやめてしまうと、抗生剤に耐性をもつ溶連菌ができてしまうリスクもあるので注意しましょう。
菌を持っていても大丈夫?
菌をノドに持っているけど発症していない状態を保菌者といいます。保菌者は子どもが集団生活している場所では5~10%います。
子どもから子どもへうつることが多く、兄弟間では感染率は25%とも言われています。大人の場合でも、抵抗力の低下しているときはうつることがあります。
しかし、溶連菌を持っているからといって、完全に除去しなければいけないということはありません。溶連菌を持っていても、何の問題もなく普通に生活できます。
ただ、妊娠中の場合は、医師に相談する方がいいでしょう。
自然治癒できるの?
単なる風邪と同じような症状だけのときは、治療をする必要はありません。安静にしていれば、自然治癒はできるでしょう。
ただ、子どもの場合は大人よりも免疫力は弱いので、高熱や不快な症状があるときは自然治癒だけにたよらず、病院に行って少しでも早く症状を和らげてあげるようにしましょう。
まとめ
集団感染を起こしやすいせいか、溶連菌は異様に恐れられているようです。
原因がよくわからなかった時代は、リウマチ熱や急性糸球体腎炎を発症する怖い病気でした。現在、リウマチ熱は日本にはなく、急性糸球体腎炎も最近ではほとんど見られなくなっています。
現在では早めに抗生物質を飲めば症状を悪化させずに治せるので、心配しすぎないようにしましょう。
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